ワンフェスアローン


おとなしくしておく

 今回は1人で参加。 いつもの相方Hit君は子供が生まれた直後になるので今回は参加しないと前回ワンフェス終了時に宣言されたので今回は誘っていない。

 多くの方が言っているように、1人参加はキツイ。 これまでだと、こういう時はネット上でのお知り合いの方に相方をお願いしてきたのだが、今回はそれもしなかった。 私としては、せっかくブースに入ってもらうのだから、ディーラーとしての雰囲気を経験してもらい、将来的にはディーラー参加へと進んでほしいと思っている。 しかし今回は多分1個も売れない状況が考えられる。 こんな状況では、店番と私の話し相手だけをしてもらうことになり、相手を拘束するだけで楽しんでもらえず、申し訳ない。 いや、何もなくてもいわたさんと1日一緒に過ごせるだけで幸せです!なんて人がいたらお願いしたいけど、そんな人いないでしょ。

 まぁ、私も15年のワンフェス経験者。1人でも何とかするさ…。

 今回はいつも使っていた海浜幕張周辺のホテルを取り損なったので、千葉みなと駅前のホテルに泊まった。 京葉線2駅で海浜幕張。 コンビニで昼飯を買い込み、会場正面の看板を撮ったら、搬入作業へ。 本日は大学入試とキャンピングカーショーと後なんか横文字で書いてあった何かが同時開催されているようだった。

 ちなみに今回からディーラー参加の申し込みが全面オンライン化したことに伴い、ディーラーのID番号が一新した。 番号の小さいディーラーは古株という、ちょっとしたステータスがあったが、そんなものも無くなったなぁ。

 いつものように、ホール外の床に放置された搬入荷物を勝手に自分のブースに運んで設営開始。 9時10分には完了してた。 あとは椅子に座っておとなしくしておく。


寒すぎスピリッツ

これは開場直後。隣のホールへ買い物に行きたいディーラー参加者が、シャッターが開くのを待っている様子。
 10時となり、いつも通りの開場。

 今回はホールの一番角の島での配置。 入場口からは遠いので、開場直後のダッシュは見られず、比較的静かな場所だなぁ…。 と思ったのもつかの間、10分後にホールとホールの間のシャッターが開けられると、隣のホールから猛者が怒濤のごとくなだれ込んできた。 目の前はメインストリートに。

 それが一段落しても、人通りが多いことには変わりなく。 そして、予想はしていたが、寒い。 ここはもろ外気にさらされる。 特に足元の冷えっぷりはひどい。 今回1人なのでトイレに行く回数は抑えたいのに…。

 ひたすら椅子に小さく座って寒さをしのぐ。 用意している食料も冷たいものばかりなので、温まるものもない。 この状況は昼過ぎになり、気温が上がってくるまで続いた。 それでも、終始コートは脱げない状況だった。

 結局トイレには2回行った。 1回目は開場直後の、人がまだ来ない時間にこっそりと。 そして午後の時間にもう1回。 配置上トイレが近いことが幸いして、3分くらいで済ますことができたが、席を離れるときはやはり不安になる。

 こんなとき、どうすべきか。 隣のディーラーの人に荷物を見ておいてほしいと頼むというのは1つの方法。 実際そういうのを頼まれたこともある。 だけど、これでもし盗難が発生した時、誰の責任になるのかという事を考えると普通に盗まれるよりも厄介なことになる。 そう考えると、頼まない方がマシだと思う。 あと、席を離れるときに「外出中」とか貼り紙をして離れる人がいるが、これも危険だと思う。 しばらく帰ってこない事を示す事になり、盗んで下さいと言っているようなものだ。

 考えた結果、貴重品だけを持って何もせず席を離れるのが最善という結論に至った。 ブースに誰もいない状況を見たら、来た人は「?」となるけど、この状況は目の届くところに本人がいると思われやすいので、もっとも防犯効果が高いと思う。 実際トイレは数分で終わる。 これで十分。

CBLGさんのおかげでワンフェスの土産が秋田銘菓というのが我が家に定着しました(笑)。最近は萌え菓子が増えたようですね。これはクッキーに萌え絵と秋田弁がプリントされたお菓子で、ヒット商品らしいです。
 12時くらいまでは何もする気が起きず、ずっとぼんやり取り留めもないことを考えていた。今日はこの暇な時間に次回作のこととかいろいろ考えようとしていたのだけど、結局何もまとまらなかった気がする。昨日、平櫛田中彫刻美術館と森美術館の会田誠展の作品を見たことで、いろんな事が浮かんだ。

 平櫛田中の作品には美女はあまりない。 どっちかというと老人が多い。 老人の持つ顔のシワはその人の人生を語る。 美少女のフィギュアにはそういう方向性はないだろう。 子供というのはまだ何にも染まっていない純粋さが魅力なのであって、リアリティよりファンタジーなのかもしれない。

 対して会田誠の美少女はもう、完全にファンタジー。 裸の美少女がこっちを見てウフフと微笑みかけるような現実感のない感じ。 これはこれで面白いが、全裸くらいの過激さがないと、作品としてのエネルギーが全然足らない。

 会田誠の作品は、美術館なんていう規律正しい場所に置くから、その変態っぷりが作品として成立するのだが、これをワンフェス会場なんていう変態空間に置いたら、本当にただの変態作品にしかならない物かもね。 マルセル・デュシャンの便器を便所に置くようなものかも。

 …なんて事を考えてた。 考えたって何も生まれないけど。 まぁ、とにかく作りたいものを作ればいいんだけどね。

 13時くらいになって客人現る。 いつも来てくれるCBLGさんから秋田土産をいただく。 そして前々回お手伝いしていただいたY-San。 いつもありがとうございます。

 ところで、私のブースの背面はCerberus Project TMさんだった。 今回も開始早々長い列が出来ていた。 背後でどんどん物が売れていく景気の良さを見ていると、やっぱりすごいなと思う。 人気の高い韓国ディーラーさんだけど、置かれている段ボール箱に「KOREA」と書かれているのを見ると、本当に韓国から参加しているんだなと実感してしまった。

 ここ数年の国際情勢から、韓国人や中国人には良い印象を持てなくなってしまったが、この人達の作品のレベルの高さを見ると、自分たちと同じ美意識を持つ人種であると思えるなぁ。 ここからなんとなく分かり合えるような気がしてきた。


閉場ダッシュ

 16時。 ブース片付け開始。 マナー違反とは思うが、私も少しは会場内を見て回りたい。 かといってブースを留守にはできないので撤収してから会場を回ることにする。 けど、片付けを始めたら展示してた本を見て声をかけてくれた人が現れたり、荷物をまとめ終わったら、本へのサインを頼まれたりと、いろいろタイミングが合わない。 結局佐川に荷物を出し終わったのが16時半。 ラスト30分で会場を見て回る。

 30分じゃ会場の全部を回ることは不可能。 そしてすでに多くのディーラーが撤収作業を始めており、あまりまともに見られなかったが、その中で写真を撮った作品を掲載。 ちなみにこれで撮ったもの全部。

 ちなみに今回一眼レフは持ってきておらず、PENTAX Qのみで撮影している。

スノー☆キャットさん。ミクを出展されているディーラーだけで固められている島があった。ディーラー側としては比較されまくってたまったもんじゃありませんね。このタイプのミクが何なのかはわかりませんでしたが、オリジナルよりもハイセンスですね。
サイレントマイノリティさん。前々回のワンフェスでWSCに選ばれたtakezyさんの作品。すっかり作風が味として感じられるようになって、魅力度が増しましたね。これはネタが分からなかったんだけど、ミクのバリエーションの1つらしいです。
はちみつからしさん。元ネタ分からず。エロさが光ってて思わず足を止めてしまった。実にエロい。裸の美少女がウフフと微笑みかけるようなファンタジー。
小抹香さん。やっぱり和服フィギュアは気になる。綺麗です。しかしどうしても和服というのはワンフェス的な萌え文化の中では異端の部類だと思う。

 あとWSCの作品も撮ってた。 このガラモンはいったいどういうキットになっているのか興味がある。 全パーツの見分け方と取付説明はどんな風になっているんだろう。 この細いツクシみたいなやつはどうやって本体にくっつけるんだ? 買って確認してみたいと思ったが、ちと高すぎて止めた。

 しかしこういう、とにかく情報量で人を圧倒するというのは最もワンフェスらしい価値観だよね。 ディテールが多ければ多いほどエライというわけではないが、ワンフェスの主力はやっぱりこの価値観なんだよなと再認識させられる作品だった。


ワンフェス後から始まるもの

 17時になったので会場を後にする。 外に出ると凄い人の数。 今まで17時半以降しか外に出たことなかったが、17時だとまだこんなに多いのかなと思ったが、実は隣の会場でアイドルマスターのライブがこれから始まるらしく、それの入場待ちの列が物凄いことになっていたのだ。 冒頭でなんか横文字のイベント名を見たが、アイドルマスターだったのね。

 いつもならメッセから海浜幕張駅へ向かう人の流れが出来ているメッセ前だが、今回は逆に駅から会場に向かってくる集団が加わっていて混沌としている。 見た目はどっちも似たような人種だが。2次元をリアル空間で3次元にした物を愛す人と、3次元データを仮想空間の2次元上で動くのが好きな人、この2つの集合は実は交わりを持たないのかもしれないのかも。

 海浜幕張駅は大変な混雑ぶりだったのではないだろうか。 私は今回メッセからバスに乗ったので、駅の様子はうかがい知れなかったが。

 17:20発のバスは自分の目の前で満席になり、1本後の17:30発のバスに乗った。 こっちはガラガラで結構快適だったのだが、斜め後ろの席に座っていた女性が通路を挟んで反対側の男性に話しかけていた。 なんでもスマホを無くしたらしく、電話をかけて鳴らしてみてくれという。 電話しても鳴らず。 おそらくバス停で落としたらしい。 運転手に状況を言ったが戻れってくれるわけもなく。

 誰かが拾ってしかるべき処置をしてくれることを期待するしかない状況。 Facebookで呼びかけてみたりいろいろしてみたが、その男性のスマホも電池の残量がやばいらしい。 私が携帯電池を貸してあげたが、これも残量が少ししかなかったようで、あまり充電できず。

 2人の会話を聞いていると、この女性はレイヤーさんらしく、これから北海道へ飛ぶらしい。 実は男性の方も北海道へ帰るらしい。 目的地は違う都市のようだが、2人とも実家は札幌だそうな。 これも何かの縁かもしれませんね。 この2人が今後も連絡を取り合う関係になればいいなぁとかどうでもいいことを考えながらバスを降りた。

 結局あと1本早い便でも間に合ったなぁ、家に着いたのは22時半。 新幹線で帰るのとあまり変わらない。


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