今回の結果 (売上数/生産数)
セーラーさん | 9 | / | 9 |
水無灯里 | 2 | / | 5 |
新作を出して完売したというのが1年半ぶり。 なんか久しぶりに「完売」の文字を書いた気がする。 ネタが商用版権物でないと言う事もあって、自分の造形がキャラクター知名度を超えられるほどのモノではないという不安もあったため、3〜5個くらいかなと思っていたのだが、午前中で全部売れてくれて、非常にありがたい。 今回はたくさん売れる事を期待してアイテム選択をしたわけではないので、売れなかったらそれはそれで良かったのだが、「1つも売れませんでした」とかいう結果だったら、キャラクタ原案のniniさんにどう顔向けしようか(会った事無いけど)とちょっと心配な所もあったんだよね。
ただ、今回は「フリルが凄い」とか単純な理由で欲しいと思って買って頂いたなら、全然抜けてなくて残念でしたという詐欺みたいな商品だけどね。 けどま、価格も安かったしいいでしょ? やっぱりフィギュアとしては3000〜4000円くらいが気軽に買える値段だと思う。 5000円以上となると、非版権物で勝負出来るのかという興味はあるが、それをやってみるだけの勇気は自分にはないね。
私の過去の作品を知っている人からは、作風が変わったと言われたりもしたが、意図的に変えたつもりはない。 ただ、原画に忠実に立体化しただけに過ぎない。 多分私の作風ではなくて、私の好きな絵が変わったと言ったところだろう。 …それが原型としての作風の変化だと言われればそれまでだけど。
当日版権というシステム。 これは多分ディーラーとしてイベントに参加した人間にしかわからないと思うが、かなり面倒くさいというか、融通が利かない。 私は何度も嫌な思いをしてきた。 実際、今回だって1つ落ちてますから。 自分は純粋に造形をして、それを発表したいだけなのに、こんなつまらない規則のためにやりたい事ができないのは、本当にもどかしい。
版権が降りるとか降りないとかいう単純なものではなくて、いついつまでに原型を作れとか言うスケジュールを強制的に決められるから、自分のペースで作りにくいんだよね。 降りるかどうか分からない時点で量産は始められないし、(C)表記の連絡が来るまで型取りはできないし、本業が別にあってその合間をぬって物作りをしている人間にとっては、本当に厄介なものなのだ。 たくさん売れたからすぐ再販しようと思っても、数ヶ月待たないと当日版権は取れないしね。
ワンフェスの申し込み説明書には、それだけの面倒なリスクを背負ってでもそれを作って売りたいという気合がある人間以外は手を出すなと書かれており、私もディーラーを始めた当時はそう言うものなら仕方がないと思い、規則に従ってフィギュアを販売してきた。 しかし、長くディーラーをしているウチに、本当にこのシステムが妥当なものか疑問を感じるようになってきた。 特にネットオークションの登場により、当日版権は事実上破綻していると思う。 まぁ、かといって完全に版権を自由にしてしまう訳にもいかない現状も分かるけどね。
キャラクター使用を許諾して頂いたniniさんには、心よりお礼申し上げます。 |
多くの原型師は、萌えが造形の原動力なんだろうと思うが、最近自分はゲームをやらなくなってしまい、新しい萌えがない。 アニメはちょくちょく見ていて、微妙に好きなキャラはいたりするけど、フィギュア化したいとまで思うことはなくなってしまった。 けど、だからといって萌えキャラを作るためにゲームをやるとかそういうのは順序が逆のような気がする。
そんな中、最近私はよく同人誌ショップに足を運ぶようになった。 よく誤解されるが、別にエロ同人誌をあさるためではない。 キャラクター作りのヒントを得るためだ。 個人の作家さんによって作られたキャラクターは、商用として作られたキャラクターよりも私は魅力的に感じる。 キャラクターを通して、「人」が見えるからね。
それに、そんな魅力的なキャラクターを見つけ出して、自分がフィギュア化してプロデュースして、それが高い評価を受けたとしたら、なんか嬉しいじゃない? 確かに、商用キャラよりも売上は下がるだろうが、だからこそ自分のスキルでもってそのキャラの魅力を引き上げる余地がいっぱいあるわけで、やりがいがあると思う。
ガレキって言うのは「同人活動」というよりは、「自分の作品を発表する」という色が強い。
だから、私はもっと「自分らしさ」でもってワンフェスの舞台に立ちたいと思う。
そう言う意味では今回キャラクターデザインは自分ではないわけで、100%自分の実力で得た結果ではない。
やっぱり最終的には、自分でキャラクターがデザイン出来るところまで行かないと、真の意味での自分らしさにはならないと思うが、今は、絵描きさんのセンスに学びたいと思っている。
で、次回以降だが、何も考えていなかったりする。 正確に言うと、考えない事にした。 今回一緒にブースに入ったたまさんも言っていたが、イベントのために造形する事から、離れた方がいいと思うからだ。 このことは、かなり昔から言っているのだが、そうは言いつつも、これまでずっとワンフェスに参加し続けてきてしまった。
イベントが迫り、締め切りに追われ始めると、これがかなり大変で、精神的にも追いつめられる事があり、次は止めたいって本気で思うのだ。 ところが、イベントが終わってしまうと、イベント前の苦労などどっかに飛んでいってしまい、何故か参加申し込みをしてしまうのである。 これこそがイベントの魔力であり、その魔力が自分、いや世の原型師全員を引っ張ってきたと言える。
そんなわけで、ここ7,8年くらいワンフェスを中心に自分の人生が組み立てられているような生活だったが、そろそろ別の人生も楽しんでみたいと思うのだよ。 フィギュアだけが自分の趣味じゃないし。 生活の軸としてではなく、一部としてフィギュアと向き合っていかなければ、仕事との両立は出来ないと思うし。
「私の次回作を待っている人がいる」そう思うと次々作品を作りたい衝動に駆られるが、実際待ちきれない人がそんなにいるのかというとそうでもないでしょ? 「次も期待しています」なんてセリフは良く聞くけど、これは「はよ次の作れやゴルァ!」って意味とは違うんだから。
まぁ、そうはいいつつ、結構近いうちにまた舞い戻るつもりですけどね。 自分に成長の余地と時間がある限りは。 ていうか再販とかはしたいし。 けど、この意志だけはもう変わらないと思う。
今後当日版権の必要な新作は作らない。
けどまぁ、一緒にディーラー参加して来た皆さんには、イベントに対して前向きでいられるウチは積極的に参加した方がいいよと言っておきたい。 みんな頑張れ。 命とワンフェスが続く限り。