'11夏 ワンダーフェスティバル 出品作品
和服をもっと知りたい。 そんな気持ちで挑んでみました。 完全に破綻無く成り立つまで完成させないという目標を立てた結果、製作に2年も掛かってしまいました。
和服と言うのは立体裁断されておらず、着付けの仕方で体にフィットさせます。 そのため、洋服に比べると肩から袖にかけてはシワがたくさん現れるわけですが、一方下半身はスカートのような広がり感がなく、見た目に乏しい物です。 なので思い切って下半身は省略。 その分上半身はスケールアップして細部まで作り込みました。
柄が縞模様なのは、シワ表現に破綻が無い事を主張するためです。 和服に限らず、服にチェックやストライプの模様を描き込むと、たいていのフィギュアはどこかで模様が不連続になってしまう物ですが、完全に縫製の仕方まで考えて作られていれば、不連続にはならないはずです。 そのレベルにまで到達できるかと言うのが自分の挑戦でもありました。
あともう1つの目標として、深みのある笑顔を作りたいと思いました。 フィギュアのほとんどは笑っているものが多いですが、それは単に口が笑っているというだけで、それ以外はほとんどが変化がありません。 もうすこし、顔の筋肉の動きが感じ取れるような笑顔をフィギュアで表現できないか。 そう思いました。 笑いすぎて顔がくしゃくしゃになる手前、少しはにかんだような表情を目指した結果、このような物になりました。
少しリアル系に寄り過ぎたかもしれませんが、ギリギリ2次元文化側に分類できるところに抑えたつもりです。
でもやはり、人形としての魅力を考えると、これは受け入れられないかも知れません。
やはり人形は人形らしく作ることを考えた方が良いのでしょうか。
TOKINO-SAN |