ビッグな変化 '16年2月7日


 今回は始発直後の一般列で揉め事があって警察が来るという事態があったらしい。 特に大きな影響は無かったが、運営側から一般客の同士のマナーの向上を呼び掛ける程度の発表はあるかもしれないね。 それにしても今回会場を見てて思ったけど、外国人の多いこと。 今回の事件が外国人だったのかどうかは知らないけど、これだけいろんな人が訪れるようになってくると、「列を守る」「譲り合い」という日本の常識を前提とした運営が、徐々に難しくなってくるかもしれないなぁ。 と思ったりもした。

 今回のワンダーショーケース、以前から私も良いなと思っていた作品が選ばれたようでちょっと注目していたのだが。 それの価格が23,900円ってのが思わず目を疑った。 複製のどのあたりにこれだけコストがかかったのかが非常に分かりづらい。 現物をよーく見ると、確かにディテールアップが施されており、細かい造形ではあるが…。 複製業者の技術でならそれほど難しいとも思えないけどなぁ。 この値段じゃ購入検討の対象にすらならない。 私なら少し複製にアラがあっても安い方を買う。 ガレージキットって、多少は買った側の技術でカバーされる物だったと思うけけど、いつの間にやらキットでありながら完璧である事が求められる価値観になってしまったのだろうか。

 ワンダーショーケースは原型師をアーティストとして扱っているが、同時に原型師の主張を購入者が受け入れる事を前提とするコンセプトになっていたのだ。 私の知ってるガレージキットは気泡や穴ぼこだらけの複製品を涙目になりながら最高品質の物に仕上げる。 原型師の意思など関係なく、自分が作りたいようにアレンジもする。 そういう物だと思ってたんだけどねぇ。

 ところでワンダーショーケースとは別の企画で、ワンダちゃんNEXTDOORプロジェクトってのをやってた。 これはワンダちゃんのオフィシャルフィギュアを主催者側が作って売るという物なんだけど。 100個限定でレジンキャスト版も売ってた。 ガイドブックをよく見ると、「販売形態こそ『組み立てキット』ですが、『実際に組み立てる必要はとくにない』」という、なんとも目を疑う解説が。 完成品版があるのだから、キット版は生の造形を手に取って学ぶための物だというのだ。

 ガレージキットは買っても作られない方が圧倒的多数である事は、認めたくないが事実だろうね。 けどなー、ガレージキットスピリッツがどうのこうのとか言ってたワンフェス主催者側が、ガレージキットが作るための物ではないと言っちゃうのは違和感ありまくりですわ。 いやガレージキットスピリッツは原型師の事か。 ということは、ワンフェスに来るのは原型師と完成品を求める客層だけであって、フィニッシャーの存在は無い事になっちゃってるんですかね。

 さて、そんなわけで作品紹介。 今回特別にこれ!という作品に出会わなかったというのが正直なところなのだが、私がどんな視点で最近作品を見ているかを紹介する感じでよろしく。

ATOMIC BOM DELTA
 サイクルウエアなんだから内股はサドルから保護されていなければならないし、自転車をこいでいくとニーソはすぐに下がってくるんじゃないのかね。 というツッコミがあるが、単純に可愛い。 水着のようなウエア+ニーソ+スポーツという組み合わせで、健康的なエロスを成立させている。
 エロいサイクルウエアと言えば、コロンビアの女子ユニフォームを思い出した。 フィギュアでこれを再現するのも面白いかもなーと思ったり。
オメガ団 すーぱーたる子
 すーぱーぽちゃ子のに続き、デブ好きの需要に応えて最近登場したキャラクターだが、こうして立体化されるとかなりのインパクト。 フィギュア界では似たような体型が多い中、こういう異端児は作る方の技量が試される気がするね。 今後もっとフィギュアのスタイルが多様化していったら面白いなぁと感じさせる作品だった。
植物少女園 匣入り加菜子
 再販だけど、今回箱から出して展示されていたので、なんか以前と違う印象を受けた。 髪の毛にパール系の塗料が入っているのかな。 最近私はフィギュアにおける髪の毛の表現方法に限界を感じつつあるが、新しい手法を見つけたような気がする。
トリブレイン リアルスケールヘッドA3
 最近はリアル幼女ヘッドを意欲的に製作されているトリブレインさん。 新しいタイプの物が出展されてた。 今回の特に美人だなーと思う。 このリアリティは写真では伝わらないかもなー。
GSプロジェクト ジゼル・アラン
 原作1巻の表紙を立体化した物。 猫や台座の効果で作品とのしてのまとまりが良い(台座は商品に含まれるかは不明)。 元絵の持つ魅力がとても引き出されていて、見てて気持ちが良い。 家に飾りたくなる。
グリズリーパンダ 純血のデヴァイス
蘇生工房3ON 加藤恵
 今回なぜか1/1クラスのデカイ作品が目についた。 しかもどれも出来が良い。 フィギュアはデカければ良いという物ではないし、アニメ顔を巨大化してもディテール不足でチープさが目立つという結果になる事が多いのだが。 今回見た物はどれも、大型だからこそできる存在感。 みたいなのがあった。

 企業ブースにあったコレ。→

 イイ…。 かつてあった等身大フィギュアと違って、サイズに合わせたバランスが取られてて、まさしく画面から飛び出してきた感が良く出てる。 198万円という値段で10体販売だったのだが、応募者多数で20体販売に増やしたとか。 元キャラの人気もあるのだろうと思うけど、フィギュアの出来その物が良くなければこれだけの需要は無かったと思うなぁ。 やっぱアレですかね。 デジタル技術の発達によって、拡大縮小が自在になったという事は、かつて作りづらかったサイズへの展開が容易になり、それを求める需要も掘り起こすことになるのかも。


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