というわけで完成。
塗装に1週間かかった…。
使った色もいっぱい。
一番目を引くのは顔がメイクだって事だと思うけど。 あまりフィギュアでこういう塗装も珍しいと思ってやったんだけど、どうだろうか。 中華というか東洋独自の文化として、顔にペインティングをするってのがあってね。 西洋だと化粧はあっても、顔に模様を書き込むような事はあまり無いからね。
でもこの顔は途中で路線変更した結果でね。 もう頭のほとんどが完成していたときなんだけど、Mac欲しいなーと思って店頭で触っていたら、そこに入ってた中国の山奥の幼女っぽい写真を見てインスパイアー。 吊り目のほっぺの赤いその子のイメージでラフスケッチ。 原型も迷いもせずに顔つきを変更した。
そして、ゴスロリ関係のサイトを見ていたとき、アイシャドウを綺麗に入れている女性の写真を見て、こういうのもいいんじゃないかなーと思って。 ペインターで先のほっぺの赤いイメージと、アイシャドウのイメージを乗せてみたらイイ感じ。 肌色塗るの面倒だったので後回しにしたら、こういう白塗りも中華っぽくて良いねぇって事でコレで決定。 ってな感じなの。 まぁ作りながら新しいイメージが湧いてくるのもオリジナルの醍醐味でしょ。
それにしてもこの手の顔塗りはハマってしまった。 こういうメイクの濃いフィギュア、もっと作ってみたいなぁ…。 今のフィギュアは10代の子をイメージしている事もあって、基本的にノーメイクだからさぁ。
髪の毛もスケッチではペインターっぽく違う色を明部に塗ってて。 この感じをフィギュアでだそうと思ったけどやっぱ無理っぽかった。 でも水色を微妙に凸部に吹き付けて馴染ませているので、ちょっと普通と違った立体感を感じられるようになったと思ってる…。 地味すぎてワカランかも知れんけど。
次に服の刺繍。 近くに南京町っていう中華街がある事もあって、よく本物のチャイナ服とかを見るから思うんだけど、フィギュアではまともなチャイナ服が無いんだよね。 なぜなら東洋の服というのは、テクスチャで着飾るから。 西洋のように、フリルを初めとした形状で個性を出す文化とは対極的だと思う。 しかし、アニメやフィギュアではこれらを描き込むのがしんどいため、ほとんどまともな物が作れない。
どうしてもこの手の描き込みはデカールを貼る方法に逃げがちだけど、刺繍というのは縫いつけた絹糸の分だけ表面がボコボコになるはずで、その質感を表現するには原型から盛り上がったモールドを付けておくしかない。 そんな事出来るのか? と半信半疑だったが、出来るかどうかやってみたいっていうのが今回のコンセプトでもあった。
さらに凸モールドになっていれば、ラッカーで刺繍の部分を塗った後、エナメルのスモークとかで段差に墨入れし、シンナー染み込ませたティッシュで軽く拭き取れば、その刺繍の立体感が強調されるんじゃなか…。 と考え、塗装方法が出来る事を念頭に置いてモールドを作っていったのね。
結果はまぁ良好。 下地は実は銀で統一してあって、その上から黄色を下地が少し透けるくらいまで塗って、そこから赤を凹部や輪郭から吹き付けて色を作った。 銀の下地の効果がどれくらい出ているのかは結局謎だけどね。 狙った絹っぽさは出せなかったなぁ。
刺繍は白以外はすべてメタリック色になってて、シルバーに各クリアー色を混ぜて作った物を塗りつけてみた。
メタリックはムラにならないので筆塗りでも結構簡単なのよね。
そして、エナメルで墨入れ。
ちょっと予想よりも汚くなったかなぁ…。
黒じゃなくて、濃い赤でやった方が良かったかもね。
そんな感じで何とか出来た。 前作のベレーさんが不完全燃焼だったのでそれをぶつけたような感じ。 ベレーさんは初心者向け原型ということから、極力難しい表現を避けたデザインだったので…。 わざと難しい事をやる必要はないけど、出来る事なら人を驚かせたい。 …驚いてくれればいいけど。