NSRその後 '02年6月9日


 修理を託したNSRがその後どうなったのかというと...。 結局ホビーショーには間に合わなかった。 部品の調達がかなり大変らしく、いろいろな所に連絡取ったりしてくれたみたいだけど、結局納入に1ヶ月かかるとの連絡だった。

 ちなみに修理代、買って1ヶ月もしないウチに壊れたということなら、メーカー保証が利きそうな気がするでしょ? ところが輸入車はダメなんだって。 外車でも日本にディーラーがあるような物ならともかく、こういう勝手に輸入しちゃった系は保証はないらしい。

 買ったバイク屋(大阪)にも聞いたが、同じ回答だった。 でも、こっちは責任持って修理するから工賃はタダと言ってくれた。 保証が利かないって点は男らしくてよいとしても、工賃は安く抑えたいよなぁ...。 運んでこっちでやってもらおうかと思ったけど、既にバイクはバラされてしまっていたので、時既に遅し。 分解した時点で工賃は発生するのである...。

 さて、時は流れ、6月になった。 静岡から電話があり、修理が終わったとのこと。 但し、ギアを換えたばかりなので、慣らし運転が必要との事だった。 要するに高速に乗るなって事だ。 とはいっても、神戸まで高速無しでどうやって帰るよ? う〜む。 ところで、6/8(土)は実は私の姉が結婚するということで、前日の6/7(金)から休みを取って、実家に帰る予定だった。 また、今住んでいる寮がどうも2台バイクを置くことが困難になったので、CRMの置き場所を考える必要が出てきた。 よって、NSRを持って帰る前にCRMを移動させなければならなくなった。

 これらの用事を一気に済ますことを考える。 まずは6/7にCRMを実家へ運ぶことに決定。 当然高速は使えないので(原付)神戸〜実家の200kmを下道オンリーで走る。 まぁ、この道は過去に何度も走っているので、なんて事はない。 元気に実家に帰ってやった。

 翌日6/8は姉の結婚式。 まぁいろいろ思ったけど、出会いというのは思いがけないところにあるものだと思った。 でも、そのためには知人は多くなくてはいけないのだなとも思ったりした。

 で、さらに翌日の6/9。 新幹線で静岡へ出向き、NSRを取りに行く。 静岡で在来線に乗り換え、静岡グランシップ(ホビーショーの第2会場だった)を横目に清水へ。 清水からはバイク屋の主人が軽トラで迎えに来てくれた。 いろいろと親切である。

 当たり前だがバイク屋に付くと自分のバイクがあった。 やっぱ嬉しかった。 元気にしてたかー?って感じ。 いや、元気じゃなかったからここにいたんだが。


 さて、とりあえず交換したパーツなどを見せてもらった。 故障の原因はミッションの焼きつきであった。

 まずはコレ。歯がまるまる無くなってる!?

 その相手のギア。同じく歯がなくなってる。このギアはシフターによって動くようになっているだが、しっかり溶着してしまっている。そりゃー変速できない訳だ。

 その近くにあったはずのギア。ダボが無くなってる。

 ベアリング。正常に見えるけど、動かすとジャリジャリ音がする。破壊されたギアの鉄粉が入ってしまったようだ。表面に破片も溶着している。

 これは分解時の写真。ボックス内に溶けた破片がくっついている(黒くなっているところ)。全て掃除したそうだ。

 とまぁなかなかエキサイタボーな物を見せられた。 バイク屋の主人もここまで酷いのは初めてだとの事。 そりゃーお互い良い経験になったな。 というわけで、これもまた記念。 古いパーツは重いけど持って帰ることにした。

 しかし、こうなった原因というのは何だったのだろう? 焼きつきの原因としてはやはりオイルが考えられるが...。 最初の1000kmでのオイル交換は済ましているし、確か入れていたのはMOTULの結構良いオイルのハズなんだが...。

 そこでバイク屋の主人が気になる事を言う。

「このバイク、0.4Lしかオイル入らないみたいだけど、少ないよねぇ。ちょっと怖いから0.6L入れておいたよ。」

 だそうだ。 とはいえ、メーカーできちんと測った量を入れるのが最適なはずなんだけど...。 とりあえず、慣らし運転だからということで、この場は納得した。

 というわけで、精算。 交換したパーツはギア、ベアリング、ワッシャー、スプリングワッシャー、シャフト、ガスケット...その他諸々計27点。 部品代だけで5万強。 ちなみに一番高い部品はカウンターシャフト。10110円也。

 でも、それより高かったのが工賃。 エンジン取り外してギアボックス完全分解して中の鉄粉を掃除して再度組み立ててオイル交換。 さて、いくらでしょう? 初期のPS2より高いです。


 さて、無事に引渡しも完了していよいよ出発である(朝9時頃)。 慣らし運転をしながらということで、高速は使えない。 とはいえ、さすがに高速使わずに神戸まで帰るのは無謀ということで、名古屋くらいまで走って、そこでオイル交換をして、それから高速に乗るという案をバイク屋が提案してくれた。 オイルは、やっぱりMOTULのにしてくれとのこと(10W-40くらい)。

 1号線に出て静岡市街をだらだら走る。 このあたりはCRMで来たことがあるので見覚えがあるなぁ。 静岡市を抜けるといきなり道が良くなった。 高速道路並に整備されていて、そのまま浜松にはいるまで信号は1つか2つくらいしかなかった。 数年前に工事していたのは覚えているが、ここまで整備されているとは。 まぁ、所々は有料道路だけど。

 しかし、バイクは慣らし運転中。 100kmくらい出してもバチは当たらないくらいの道だが、押さえて走らなくてはならないのでイライラ。 まぁ、4輪車に道を譲るのは慣れっこだが、2輪車に抜かれるのはシャクに触るなぁ。

 浜松でエンジンオイルがなくなったので、バイクショップを見つけて補給。 その後の浜名バイパスに入ったが、この道が素晴らしい。 海沿いにあって、さらにかなり高い位置に道路があるので眺めは最高である。 ツーリングマップルにも絶景と書いてあるくらいだ。 しかしそれは同時に強烈な横風を受けるということでもあった。 このNSR150は車体が軽いため、横風が来るといきなり吹っ飛ばされそうになるのでかなり怖い。 特にこの日は強風波浪注意報が出ていたくらいでかなりの風だった。 ここでも速度を抑えざるを得なかった。

 3時くらいになって、名古屋に入った。 予定通り、ここらでバイクショップを見つけてオイル交換である。 MOTULのオイルを選んで0.6L入れてくれと頼んだ。 たった200kmしか走っていないがオイルは十分黒かった。 なんとなく納得。

 オイル交換を済ますとそのまま実家へと向かう。 尾西市にある我が実家は名古屋から30km程行ったところにある。 当初の予定ではここにバイクをおいて今日は電車で帰り、来週再び取りに来る予定だったが、なんなく気分はハイだったのでこのまま乗って帰ることに決定。 とはいっても神戸までは静岡から走ってきた距離とほぼ同等。 かなり無謀っぽいが、まぁ、無理なら高速乗ればいいでしょ。

 しかしやっぱりここでオイルの事が気になる。 実際多めに入っているのだろうか。 NSR150はミッションボックスに窓がついていて油面が見えるようになっているのだが...。 バイクを水平にして窓を覗くと、きっちりHとLの間になっている。 すなわち適正な量というわけだ。

???

 ここで1つの仮説が浮かび上がった。 実は初回点検の時、0.4Lしか入れてなかったのではないだろうか? このミッションボックスは空気が入りやすく、一時的に油面が高くなりやすい構造であったとしたら?

 初回点検での一連のオイル交換作業を見ていたが、確かに量は測っていなかった。 そのミッションの窓を見ながら少しずつ入れていただけであった。 この時も一時的に油面が上がっていたと考えられないだろうか。 それで、0.4L程度しか入っていなかったと。 そしてオイル不足で焼き付いたのではないだろうか。

 今回修理をしてもらったバイク屋が最初にオイルを入れたときも空気が入っていて0.4Lしかオイルが入らなかったとして...。 そして今回のオイル交換は0.6Lと測ってオイルを入れた。 その後の走行で空気が逃げ、油面が適正位置まで下がった。 と考えると一連の現象に説明が付く。

 いろいろ考えるが、とにかくこの場は神戸まで帰るのが先決。 オイルは適正量なんだから問題はないでしょ。 というわけで出発ー。

 と意気込んでみた物の、関ヶ原あたりで尻の痛みがそろそろ限界になってきた。 気力はあるんだがなぁ...。 仕方ないのでそこから名神→阪神高速と乗って一気に帰った。 とはいっても、やっぱり高速走行はなんか不安なのでゆっくり走ったけど。

 さて、神戸に帰ってきて改めて考える。 0.4Lという数字。 確かに少ない。 前のCRMでさえ、0.7〜0.8Lは入ったのに。 それより少ないというのは確かに考えにくいわなぁ...。 説明書(英語)を開いてみると0.7Lと書いてあった。 やはり0.4Lなんて事はなかったのだ。 自分の仮説がますます決定的な物と思った。

 しかしオイル交換なんて基本的な作業を熟練のバイク屋がミスするとは考えにくいのだが...。 次回からは自分きちんとで測ってオイル交換しよう...。

教訓:オイルの量はしっかりと測りましょう


戻る