HobbyJAPANでこの作品を見たとき、凄い!と思いました。 このフィギュアは自分が目指すところの形である。と。
そしてすぐに予約しに走りました。 それまでガレキを予約するなんてしたことのなかった私。 でも、発売前であっても何らかのアクションをせずにはいられなかったんです。 そして予約は滞りなく済み、またいつもの生活に戻りました。 入荷予定は15日。しかし15日は日曜なので、その前日くらいには着くでしょうとのことでした。
10月12日。 この日はPS2の「motogp」が発売になって、バイク好きの私はガレキの事なんて忘れて走りしまくってた。
10月13日。 今日も帰って走るぜー。 とか考えながら会社で仕事。 ところが昼休みに電話が。 模型屋からの連絡だった。 すっかり葵ちゃんのことなど忘れていたが、この瞬間から一気にモデラーモードへ転身。 HPの掲示板に入荷したらしいと書き込んで、会社はさっさと定時にあがり、模型屋へ直行。 家に帰って洗浄作業だっ。
いつものようにM-WASHで離型剤を落とすが、なんかまだ完全に取れていない感じ。 しょうがない、手で洗うか。 速攻で隣のスーパーで「ジフ」を購入。 歯ブラシで洗浄...。 しかし共同の洗面所なので、人がこないのを祈った...。
早速仮組へ。 このキット、なかなか面白い。 帽子付きと帽子なしのコンパチだと聞いていたが、どちらかを選んで組むのではなく、完成後、どちらでも付け替えられるようになっているのだ。 原型師の粋なはからいにちょっと感動。
↑2つの後ろ髪 |
次にあまりに薄いスカートパーツを見た。 向こうが透けて見える...。 よく抜けたもんだなと思っていたが、よく見るとスカートの裏に謎のモールド。 これは...。おそらく薄すぎてうまく抜けなかったため、シリコン型の方を少し切り取ったらしい。 頑張りましたねぇ。抜き師の方。 こんな事が理解できた自分がちょっと嬉しかったりして。
そして髪パーツ。 コンパチのために後ろ髪は2層構造となっているが、下の1層は2段分の髪が作られており、仮組みすると、3層の髪が存在しているように見える。 なんか不自然だけど、すげー。 光の髪構造で難しいとか言っていた自分が恥ずかしくなりました。
それにしても、この髪パーツ、1つ1つがとても綺麗。 よくもこんなもの1本1本作ったものだと思うが、これを抜く技術も凄い。 おそらく真空使っているとは思うが、プロの技とは恐れ入りますです。
私の原型だと、複製のこと考えて、あまり複雑なモールド作れなかったりしますからねぇ。
なんかいろいろ勉強になってしまった。
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↑縫い目を作るために再びパテを盛る |
10月14日。 土曜だから会社休み...ではなかったが、この日は有休取っちゃった。 で、早速整形作業開始。 下地のことを考えて、スベスベのみでパーティングラインを消していく。
塗装前の接着が必要なのは、帽子なしの前後髪、それと前後スカートのみ。 スカートは少し合いが悪かった。 やはり薄いため、脱型時に歪んでしまったのだろう。 ドライヤーで暖め、形を整えた。 接着はアルテコSSP-GHで。 こういう隙間の多い場所の接着はコレに限る。 接着してラインを消していく...。
しかし、ここであることに気が付いた。 胴体脇のパーティングラインがやけに深いのだ。 よくみると、これはパーティングラインでもあるが、同時にモールドだった! 原型師は服の縫い目をちゃんとモールドしていたんですねぇ。 確かにパッケージの絵を見ると、ちゃんと縫い目が描いてあります。 しまった!接着したところは綺麗にライン消しちゃったよー。 てなわけで、せっかく綺麗にしたところにモールドを作るハメに。 う〜む、やられた...。
他の所はパーツの合いは完璧。 とくに整形する場所はなし。 バリやパーティングラインを消すだけ。 しかし、髪パーツは結構面倒。 この1本1本にパーティングラインが入り込んでいるため、ヤスリがけが面倒なこと。 でも、ここは根性で頑張るしかありません。
サーフェイサーを吹くと、肩やスカートに結構細かい気泡も見つかった。
はぁ...。こういう気泡ってかなり脱力するけど、こんなところでくじけるわけにはいかん!
スベスベを楊枝ですり込んで埋める。
1つ1つ穴を広げる方が確実ですが、スベスベくらいキメが細かいパテだと、実はこんな方法でも十分いけるんですよね。
みんなもやってみよう。
↑帽子なし。服のグラデが写真だと全然分からないっす。でも、単色塗りではこんな風にしわが立体的に撮れないのよ。不自然じゃないからグラデに見えないんです。 |
10月15日。 日曜日なので会社は当然お休み。ガンガン行くぜー。
結構整形に時間かかってしまったが、午前中でサフがけを何とか終了させることができた。 ちなみに使っているサーフェイサーはタミヤのファインサーフェイサー(ホワイト)。 スベスベとこのサフを組み合わせれば、真っ白な状態から塗装できますよ。 ホントはサフレスが一番だけど、やっぱりスベスベを使った部分は不透明な白になるので、白サフ吹いておいた方がいいと思います。
さぁ。午後から塗装スタート。 まずは肌色から。 今回はパッケージの色に近づけることを目指す。 パッケージの絵は少し黄色っぽい肌色で、影色はオレンジに近い。 とりあえず、黄色っぽい肌色で全体を塗り、それにクリアーオレンジを混ぜてシャドウを吹けばいいと計画した。 ちょうど前回ゆっきーを塗るとき、肌色調合で黄色すぎてしまって使わなかったのが余っていたので、それを使うことにした。 それで全体を単色塗り。 次にそれにクリアーオレンジを混ぜて凹部から少しずつなじませていく。
こういう薄色のシャドウは、シンナーは多めにして薄く、エア圧は低めにして、ハンドピースを近づけてゆっくり塗っていきます。 塗っている時点ではいい感じに塗れているか分かりません。 吹き付けた時間で色の濃さを調節します。 少し塗ったら離して見て、色合いをチェック。 そしてまた吹きつけ。 広い範囲でなじませたいときはエア圧を少し上げて、ハンドピースを離して吹き付ければOKです。 ま、かなり慣れが必要ですが...。
でも結局パッケージとは少し違う色になっちゃった。 しょうがないね。 所詮こんなもんです。 しかし、付属の写真の色合いよりはいい色になったと自負していたりして。
↑縫い目を強調。コレをやらないと表面処理の手抜きと勘違いされてしまう。 |
次に服を塗る。 白のワンピース...なんて清潔感漂う服だ。
今回はパール色を使ってみようかななんて思ったりして。 いろいろ考えたが、陰影を先に付けて、上からパールをコーティングするような形にしようと決めた。 まずブルー+ホワイトで水色を作り、凹部へ吹き付けていく。 で、その後、パールを全体に吹き付け...って、あ!間違えた。 パールの前に、白でシャドウ色をなじませなるのを忘れていた。 でもやっちゃった物はしょうがない。 パール吹いた上から白で凸部を中心に吹き付ける...。 と、これが結構いい感じ。 パールが何となく隠れて、一見パールなしだけど、よく見るとパールが入っているという、何とも言えない感じになった。 よしよし。 それと、服の脇の縫い目モールドも、影を付けることでその存在を主張しておいた。
次は髪。 これはもうブルーそのままでOKでしょう。 下手な小細工はしない方がよさそう。 ホワイトとフラットベースだけ混ぜて、単色グラデに挑む。 単色グラデっていうのは、白く塗ったパーツに、凹部を重点的に吹き付けることで立体感を演出する方法のこと。 濃いめの色に有効です。 薄い色の時は、ちゃんと2色でグラデした方がいいです。
↑髪パーツ2つ |
濃い色の場合はエア圧を高めにした方がキメ細かく粒子が飛んでくれます(ホントに飛んでいるわけじゃなくて、イメージね)。 凹部のみを塗装し、それから全体を吹いてなじませていく。 そして、一見グラデしてないように見える寸前の所までなじませる...。 私は、見たからに「グラデかけてます」って分かるものではなくて、一見単色塗りなんだけど、単色塗りよりも立体感が演出されているくらいのグラデが好き。 だから私の作品って、単色塗りだとよく勘違いされてるみたい。 でも、それくらいのが私は好みなんですー。
↑あし〜。グラデが分かるかな? |
次はサンダル。 ホワイト+イエロー+ウッドブラウンで調合。 足をマスキングして、エアブラシで単色塗り。 肌色のシャドウ吹きの際にサンダルの方までグラデがかかってしまったので、その上から薄い色で単色塗りしたことにより、ちょっとだけ色味に変化が出て、ちょうどいい感じに。
10月16日。 月曜になって平日モード。 それでも一日3時間は使える。
まずは靴ひもを。 ここは筆でやることに。 白を筆で塗るとなると、結構大変。 隠蔽力がないので、何度も重ね塗りをせざるを得ない。 そうすると、どうしても厚塗りになってしまう。 しかし今回は靴ひもで、エナメルっぽい感じを出したいので、わざと厚塗りにして硬い感じを狙う。 しかし隠蔽力は欲しいので、ベースホワイトを使って塗装。 モデラーズの物ね。 最近グンゼのが出たけど、モデラーズのヤツが余っているので、コレ使っています。 留め金はクロムシルバーそのままで塗り。 白塗ったついでにパンツも塗装しておいた。
↑帽子の陰影。 |
帽子の塗装とあわせて、別パーツのリボンも同じ色で塗っておく。 これは、この後リボンを上塗りする時、下地の色を受けるという事を見越してのこと。 帽子の部分と別パーツの部分のリボンが同じ色になるように、両方を同じ色の下地にしておくワケですね。
10月17日。なんとか今日中に完成させたい。
この日は服の青ラインから始める。 マスキングしても良かったのだが、私のマスキング嫌い病が発病して、何を思ったか筆塗り。 しかもラッカー。 ブルー+ホワイト。 ちまちま2時間ほどかけて塗っていく...。 ラインの境目には溝が入っている。 この溝に、青が入り込んだり、そうでなかったりところがまちまちだとみっともない。 ここはきちんと溝に青を流し込んでやりたいところ。 しかしラッカーでは難しいので、主のラインだけラッカーで塗り、溝はエナメルの青を流し込んでやった。 もちろんはみ出たところはふき取る。 これでラインがハッキリして、引き締まった感じになった。
次は帽子の続き。 マスキングして、リボンの塗装。 しかしこのリボンもピンクとかブルーとかにしてくれればよい物を、パッケージの絵では黄色。 これじゃぁ、麦わら帽子の色と同じ色じゃないかー。 実際パッケージの絵もリボンと帽子の違いがわかりにくくなっている。 でもしょうがないのでそのまま行く。 ホワイト+イエローで塗装。 とりあえず、違いは分かるが、やはり遠目に見るとわかりにくいですねぇ。
↑五輪の書 |
次は五輪の書。 ToHeartの知識に乏しい私はコレがなんなのかよく分からなかったが...。 「五輪の書」という文字の部分はシールが付属している。 デカールじゃないのが弱いなぁ。 透明シールではないので、シールの色に合わせて本を塗らなければならない。 よく分からないが、ウッドブラウン+ブラウン+ブラックで塗装。 ちょっと濃くなりすぎた気もするがまぁ、許容範囲やね。 表紙以外の所はマスキングして単色塗り。 終わったらマスキングはがし。 白の部分は塗装してません。 下地の白でまぁOKでしょう。
そしていよいよ最後の作業、目塗り。 今まで作ったどのフィギュアよりも大きい目だった。 瞼は大きくモールド。 二重瞼のラインも溝が入っている。 眉毛もしっかり凸モールドしてある。 塗装ほうほうは今まで通りにやった。 ベースホワイトでまず目全体を塗って、次に瞼の黒を塗る。 いつもは瞼の下側のみの塗装だが、このキットは瞼のモールドが独立しているので、それ全体を黒で塗る。 いつもはここはラッカーで済ますが、今回はちょっと自信がなかったのでエナメル塗装した。 二重瞼のラインはブラウンを流し込んでおいた。
次に瞳を入れる。 瞳の中心位置にチョンと点を付ける。 そして、両眼の向いている方向が不自然でないかを常にチェックしながら、その点を中心にだんだんと大きくしていく。 こうすれば左右別々の方向を向いてしまう事もありません。 で、黒い目が完成。 生気を失った目と言った感じでしょうか。 さて次はいよいよ瞳の塗りと行きたかったが時間切れ。 完成は明日へ持ち越し。
10月18日。 瞳塗装の続き。
エナメルのブルーとホワイトを調合皿にちょっとだけ垂らし、油絵パレットのように筆でちょちょいと混ぜる。 で、よさげな色を選んで瞳に塗りつけ。 下の方は白っぽい色を。 上の方は青の原色に近い色を、パレットで配合しながらそれぞれ色を選んで乗せていく。 つまり筆でグラデーションするわけですな。
↑外れる髪。なんかカツラみたい。 |
それが終わったら、ハイライトを入れる。 白で左上のハイライトを。 下の方に水色でハイライトを入れた。 この辺もパッケージの絵に準じている。
次に口を塗る。 普通口の中はピンクが自然な感じなっていいが、今回はあえて赤の原色を選んだ。 なぜならパッケージの絵がそうだったから。 確かにちょっときつい感じもするけど、まぁいいんじゃないかな。 そして最後に眉毛をブルーで塗って完成!
そして組み立て。
ベースは清潔感あふれる透明の物を選んだ。
右脚のみ真鍮線を通して固定した。
下半身と上半身は真鍮線を入れてある物の、接着はしない。
いつでもスカートの中が鑑賞できるようにだ。
いや別にやらしい考えではないですよ。
自分が原型作るとき参考に出来るようにです(汗)。
あとは五輪の書のシール貼って、いろいろ接着して完成!
でももちろん髪パーツは接着しませんよ。
いつでも付け替え可能です。
さて、いかがだったでしょうか? 今回はできるだけ詳しく塗装の過程を書いておきました。 少しは参考になったでしょうか?
しかし久しぶりに一般市販のキット作ったなー。 ていうか、イベント以外で模型買うのって何年ぶりだ? それに、買ってから完成まで1週間かからなかったのって、いままでで最短だったかも。 やっぱりキットは買ってテンションが高いウチに一気に作ってしまわないとどんどん後回しになってしまうと思うので、出来るだけ予約して、入荷したら誰よりも先に自分が作ってやるーって気合い入れて作るのがいいですね。 さぁ、みなさんも買っただけにせずに、素早くキットを作りましょう。