ワンフェス、JAFCONに続くガレキイベントへの発展を狙うワールドホビーフェスティバル。 地方を回るガレキイベントが今後成立するかも知れないということで、私も期待しています。 今回はSTick、ONe参加したおかげで結構盛り上がってました。 とはいえ、相変わらず10分で全部回れちゃうくらいの規模のイベントなんですが。
今回の日記はこのイベントを通じて思ったことや、分かったことなんかを書いてみましょう。 先に言っときますが、イベント報告ではないですよ。
さて、今回の目玉はやはりSTick、ONe、ムサシヤ。 どれもLeaf系という嬉しいやら悲しいやらな状況です。 今回買うつもりはなかったんですが、ムサシヤブース(正確にはレッドテールキャット)の瑞希が気になってしょうがない...。
パッと見たとき、何してるのか分からなかったです。 爪楊枝でシーハーしてる? んなわけないわな。 箱からなんか出してるし。 タバコ? そんなわけないし。 えーっと、ああ、ポッキー食ってるのか。 ってオイこれ真鍮線じゃんか。 塗装くらいしようぜ...。
でもしばらく眺めているウチに、この「真鍮線食ってる瑞希」っていうシチュエーションが私の中でどんどんおかしく思えちゃって、結局12000円出しちゃいました。
せっかく来たし、フィギュアとしての完成度も高い作品だから、損はしてないとは思うけどね。
多分作る暇はないと思いますけど、作ったとしたらやっぱり真鍮線食わすでしょう。
さて、今回の私の目的の一つ。 銀塩フィルムでフィギュアの撮影をしよう! ということ。 私、カメラの知識はさっぱりです。 でもHPのアップ用にデジカメを使い続けて、フィギュア撮影のコツ見たいな物は何となく身につけてしまいました。 銀塩写真は現像に出すのが面倒ですが、イベント記録という目的なら、現像もそんなに面倒な手間とは思えません。 それに版権申請や写真提出のために、そこそこいいカメラが欲しいと思ってました。
というわけで新しいカメラを購入。 一眼レフは高すぎるのでコンパクトカメラで我慢です。 機種はPENTAXのESPIO120Mi。 最近CMもしてるし、私が調べた中では35000円以下で買える、最も拡大撮影が出来る35mmフィルムコンパクトカメラです。 店でどのくらいまで拡大できるか試させてもらいましたからね。
イベントでのフィギュア撮影での難点は「三脚が使えないこと」だと思います。 だから手ブレが最大の敵。 コレを如何に抑えられるか。 コレが今回の焦点でした。
コンパクトカメラで普通にフラッシュ撮影とフラッシュなしでの撮影、それと、ミニ三脚を付けて、それを自分の腹に押し当ててカメラを固定する方法(「体三脚」と呼ぶことにします)を試してみました。
↑フラッシュ撮影。写真はいいんだけど、スキャナの性能が今ひとつ。 |
そしてフラッシュなし。 やっぱりダメでした。 手ブレしまくり。 見られたものじゃないです。 デジタルだろうと銀塩だろうとコレは変わらないのね...。 CCDとフィルムじゃ感度が違うからちょっとは違うかなって思ったんですけど。
で、体三脚撮影。
自分に体に三脚を立てるという方法でしたが、普通に持つより手ブレはしません。
しかし、フラッシュなしではやはり少し動いてしまうので、少しぼんやりした感じに写ってしまいました。
でもディテールは撮れないものの、雰囲気的にはデジカメと違った写真が撮れて面白かったです。
ESPIO 120Mi | C-900 ZOOM |
比較のために、デジカメ(OLYMPUS C-900ZOOM)でも撮影してみました。 前回WFでは手ブレで泣かされましたが、体三脚を使ったら手ブレは最小限になって、驚くほど綺麗に撮れちゃいました。 性能は決して良くないんですが、使い慣れてるので、手になじむんですかね?
で、結論。 体三脚+デジカメが最も綺麗に撮れました。 デジカメは接写も得意なので、「記録」という点でのフィギュア撮影ではコレが一番でしょう。 でも、銀塩フィルムカメラでの写真は、デジカメとは違った味があって、鑑賞するにはコレの方がいいです。 フラッシュ撮影は、ホワイトバランスがついているので予想以上にいい感じ。 フラッシュなしではぼやけるけどいい雰囲気が出る。 もう少しカメラを使い込めばいい写真が撮れるかも?と言った感じでした。
まぁ、カメラやってる人から言わせればこんな事はごく当たり前なことで、今さら書く事じゃないとは思いますが。
でも、フィギュアやっててデジカメから入った私から言わせれば、実践して初めて分かったって感じでした。
カメラって面白いですね。
でも、ハマると恐ろしい事になりそうなので、あまり深入りしないように心がけます。
知識と経験は増やしてもお金は使いません!
さて、オフ会は三宮で。 「らくがき〜」からは私と鳳天舞さん、PLEさん。 「安眠〜」からはいトやすさん、inkyoさん、おかもちさんの6人でしゃべくりました。 怒螺拳さんがこれなかったのが残念でしたね...。 まぁ、そこでの会話をいちいちここで書く事はしませんが...。 皆さんガレキにそれぞれの思い入れがあると言うことが分かりましたよ。 で、いい機会なので、私の「ガレキを作る」って事の考え方をここで述べておきますね。
私は最近ガレキに関してはこの考えに落ち着きつつあります。
ガレキというのは物を作る楽しい時間をプロデュースするものである |
ガレキ原型師ってのはそれを作ってもらう過程でいろんな事が演出できると思います。 例えばスカートの中のパンツを異常なまでに緻密に作ってあったりすると、見えなくてもそこをちゃんと塗装しようと思うし、その作業にたどり着くまで結構楽しみだったりします。 ちょっと難しい作業が必要なキットだと、その作業をいかにうまくこなすかをキットを見ながら考えたりします。 逆に作りやすいような配慮のなされたキットは、初心者にも作りやすいように考えたんだなぁと感じることが出来ます。 コレこそが完成品フィギュアや美術品にはない、ガレキにしか出来ない演出だと思います。
フルスクラッチしてるとき、作る人はここを塗装するときどうすればいいだろうか悩むだろうなぁ。 とか、ここを仮組みしたとき、組み合わせの仕方でちょっとは感心してもらえるかな。 とか考えながら原型を作る。 コレが私には凄く楽しいんです。 だから自分のキット作ってくれた人が自分のキットでどのくらい楽しんでくれたかな?というのが結構気になったりするんですよね。 「このフィギュアは楽しかったです」って感想がもらえたら最高ですね。
逆に私がフィギュア買うときもそんな衝動があります。 例えば今回のWooDさんの瑞希。 私は瑞希が好きです。で、この原型も良くできてます。 いいフィギュアだ。そう思います。でもそれだけでは買おうとは思わないです。 なぜならコレを作る過程で何か面白いことがありそうな感じがしなかったからです。 でも、真鍮線食ってる瑞希を見て、「真鍮線切ってポッキーにする」っていう作業がコレで楽しめるんだ。 と思ったらとたんに欲しくなってしまいました。
売り手は「制作」をプロデュース。 買い手はそのキットを楽しむ。 そんな関係が私のガレキ理想体系なんです。
ガレキ作るのも売るのも楽しいです。 で、自分は何が面白くてガレキ作ってるのかなぁって自分の考えを突き詰めていったらこういう結論になりました。 自分の作った物を出来るだけオリジナルに近い形で手渡したいって思ってる人や、出来るだけたくさんの人に売りたいって思ってる人とは違う結論なんでしょうね。
私はアマチュアですからねぇ。 お客さんが増えなきゃ生きていけないってわけじゃないですから。 そりゃたくさんの人に私のキット欲しいって言わせたいですが、目的は買わせる事じゃなくて、楽しませることですよ。 ま、楽しんでもらうためにはまず買ってもらわないと始まらないんですけどね。
というわけで2000年7月9日の日記、おしまい。