陽ノ下 光 改造 '00年 6月25日


 光のシリコン型がやっと出来ました。 毎回型は5つと決めていましたが、今回は6つになってしまいました。 その理由は顔パーツだけ別型にしなければならなくなったからです。 おかげで生産性が少しダウン。

 とりあえず試し抜きをしてみました。 試し抜きは前回のワンフェスで余ったキャスト。 一度開封して半年も経ってたら、気泡出まくりでダメだろうと思ってましたが、やっぱりダメでした。 造形村のキャストは半年経っても大丈夫だったんだけどなぁ。 ベルグ製のは気泡が出やすいと思うのは私だけだろうか...。

 一応新しいキャストは買ってあるんですが、1kg缶×2なので、開封したら一気に使っちゃいたいんですよね(水吸うから)。 だから八重さん、寿さんの型が出来てから開けるつもり。 それまではこの半年前のキャスト(まだまだ余ってる)でテストです。

 これでうまく抜けたら早速KENCHANさんに渡して塗ってもらえないかと思ってたんですが...。 うーむ。残念。 とにかくこうなったら他の型もさっさと作って、新しいキャストをおろせる状態にしないと、塗ってもらう時間がなくなってしまいますね。 今回八重さんも他の人に頼みたいと思ってますし。

 では今回のシリコン型制作で、少し工夫した点などを紹介してみましょう。

 上半身のパーツです。 スカートのパーツと上半身のパーツを塗装後に接着できるように、このような形状になっています。 しかしこの形は、パーツ前後から抜くと無理があるのがおわかりでしょう。 前回はそれでも無理矢理抜いて、3回で抜いただけでシリコンをダメにしてしまいました。

 今回はそれを少し工夫。 右図の様なシリコン型になっています。 コレで抜くと、まず左のシリコン型のみがめくれます。 そして右側のシリコン型から、原型の上からめくるとほとんどシリコンに負荷をかけずに抜くことが出来る...というわけですね。 まぁ、この程度のライン決めるのは、ベテランの方なら何でもない事なんですが。

 しかし、この顔面のパーツは2面取では無理でした。 いくら頭をひねっても、2,3回でシリコンが壊れるのが目に見えます。 しょうがないので3面取をすることになりました...。

 結果は左の通り。 綺麗に抜けました。 3面取というととても大変なイメージがあったんですけどね。 意外と簡単でしたよ。

 それに、3面取を強要するようなパーツを作らないような分割をするのが原型師としての腕前でもあると考えてましたから。 ではなぜ今回そんなパーツが出来てしまったのかというと、もみあげの存在があったからです。 ある程度長いもみあげの先は顔パーツから少し浮いている状態になります。 しかし顔に耳が付いている場合、そこが最も左右に出っ張っている部分なワケですから、そのラインで前後に抜かなければならないワケです。 こういうときはもみあげを別のパーツにしてしまうのが普通でしょう。 ちなみに八重さんではそうしています。 しかし光のもみあげは非常に小さいので、別パーツとして存在させるのが困難です。 だから顔面パーツと一体化させるしかありませんでした。

 しかし顔面パーツにはうなじに髪がついており、ギリギリ2面抜きが出来る形状だったのです。 そこにさらに抜きにくい物がくっついちゃったものだから完全に2面抜きは無理となってしまったんですね...。 今考えれば、うなじの髪パーツの方を別パーツ化すればよかったなと後悔しています。

 でもそのおかげで3面取の技術を身につけることが出来ました。 今後はもっと自由度の高いパーツ構成が出来るかも知れませんね。


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