結果報告


FINALだって

 さて、今回で最後となってしまったワールドホビーフェスティバル(WHF)。 今年のGWは、神戸と有明どちらに参加するか迷ったが、本当の最後となる有明にディーラー参加する事にした。

 当日に神戸から移動、朝6時台発の新幹線で東京を目指す。 ワンフェスだと前泊しないと入場に間に合わないけど、WHFはこれが出来るから参加が楽なのよね。 しかも朝早いからGWでも新幹線は空いてて快適だった。

 いつも通りビッグサイトについて、会場の設営をする。 前回のワンフェスと同じ白布。 組立もいつも通りに進んだ。 しかし、宅急便で送った展示フィギュアがいくつかパーツが取れてしまっており、それを修復するのに手間取った。 エポキシ接着剤で取り付けた物がポロポロと取れ始めてきてて、接着剤というのは経年劣化するものという前提でガレキを作らないとダメなんだなと言うことを再認識させられた。


私はここにいる

 というわけで11:00。 予定通り開場。 毎度のディーラーによる開場前行列はもはや風物詩かも。 とはいえ、開場と共にディーラーが走り回るのはもっと問題があるからこれはこれで仕方がないと私は思っている。 この方針がWHF以後のイベントにどう受け継がれていくか、ちょっと興味あるかな。 人気ディーラーさんは午後からの販売にするとか抽選するとかそういう、ディーラー側での対応にゆだねるしか、今は対応策がないでしょう。

 さて、ウチはというと。 結果から言うと売れたのは3つ。 予想通り過ぎて逆にツマラン…。 WHFは神戸よりも有明の方が売上が悪いという結果が出るのは何故なんでしょう。 ワンフェスでみんな買っちゃうからかな。

 しかし売上以上に大事なことがある。 今回も設営準備をしているとき、展示している私の本を見て「この本は自分のバイブルだ」と連れと喋ってから去っていく人がいたり。 紅葉ちゃんを見て「あっ、これはあの本の!」と気付いてくれる人もいたり。 でもみんな、シャイなのかなかなか私自身に声かけるところまでしてくれる人は居ない。 けど、こういう反応を見るだけでも、参加して良かったなと思う。

 今回は一緒に写真撮って下さいと頼まれる事が1件。 サインする以上に照れますね。 私は大した人間じゃないですが、この本にこれだけ思い入れを持って頂いていることはありがたいことです。 なんか、毎回同じ事を書いてますね…。

 売上が無くても参加したいのは、この本を書いた人がここにいますよという事を一応示しておきたいから。 それで少しでも、読者さんのやる気が出ればいいなと思う。

 あと、実はお隣のディーラーさんも読者の方だったり。 同じ島の後ろのディーラーさんも本読んだよ!と言ってくれる方がいたりと、予想以上にこの会場内に読者が多い事が分かった。 本を出してもう2年半になるけど、そろそろ本を読んで原型作りを始めた方々が、ディーラー参加出来るところまで成長してきていると言うことだと思う。 自分が望んでいたことは名誉でも印税でもなくて、こういう事だったわけで、それが成果として現れていることを実感してとても嬉しかった。 あとは、私を超えて良い作品を作っていって欲しいと思います。

 展示物についても、今回は良い反応が多かったみたい。 「いいねー」とかだけじゃなくて「新しい」とまで言ってくれる人がいるのはなんか嬉しい。 製作途中の新作についてもフチに置いていただけだけど、ちゃんと見てくれる人が居て嬉しかった。 ここ最近は同じ物しか展示してないけど、それでもこういう反応が多いのは、見ていく人は毎回同じではないと言うこと。 自分の作品を常に見やすいところに置くことはとても大事だと思う。


本当に良いものとは

 そんなわけで後は撮影に回る。 WHF有明はディーラー数がちょうど良いくらいなので回りやすい。 ネタとしては、らきすた、初音ミク、グレンラガン、なのはが多い感じ。 どれも出来が良かったですよ。 しばらくはこのネタが続くんでしょう。

 From My Dreamworldさんの作品(→)。 かつてワンダーショーケース(WSC)に選出された方です。 これ、確かその頃の作品だよね。 久しぶりに見た。 どうやら、ちょっと顔の表情とか変えているみたいですが。

 WSCとして売られていた「ネミッサ」も改修して売られていたんだけど、一旦WSCとして売られた物ってディーラー本人から再販するのはOKなのだろうか。 とかちょっと思った。 契約切れてるのかも。

 それにしても、今となっては古い作品なのに、今見ても全然見劣りしない。 むしろ新しさすら感じる。 本当に素晴らしい作品というのはこう言うものなんだろうな。 私も、そういう作品を作りたい。


終焉

 イベントは16:00に終了だが、相方が退屈そうだったので15:00に撤収開始した。 終了の時になんか挨拶とかフィナーレ的イベントがあるかなと思って気にはなったけど、結局終了15分前に開場を後にした。 今回は終了前に店を畳む人がほとんど居なかったけど、やっぱ同じ事を考えていたのかな。 でも、後で聞いた話では特に何事もなくイベントは終了したみたい。

 ワールドホビーフェスティバル(WHF)。

 かつてガレージキットイベントと言えば、ワンダーフェスティバルとJAF-CONしかなく、夏と冬に東京でしか行われないという常識を覆し、春や秋にも、しかも東京以外の都市でも当日版権が取得出来るガレージキットイベントとして登場したこのイベント。 登場当初は影の薄い存在だったけど、次第にディーラーが集まり、ワンフェスに次ぐイベントとして成長した。

 今回配られたパンフに掲載されていたけど、全部で77回も開催されており、開催回数では圧倒的にワンフェスを抜いている。 その背景には、ワンフェスのリセット宣言やJAF-CONの終了などがあったんだけど、ここまで大きくなったのは、ディーラーと主催者両方にイベントを盛り上げたいという気持ちがあったからだと私は思う。

 ところが、そんなWHFも、これで終了。 その真の理由は明かされておらず、どうも大人の事情があったようだが、始まりがあれば終わりあると言うことで、イベントが立ち上がる事に疑問を感じないように、終わりも疑問を感じない事にした。

 とはいえ、かつてのWHFの主催者の方がすでにHOBBY COMPLEXという新しいイベントを立ち上げており、実質WHFは継続しているのだと思う。 その熱意には頭が下がるばかり。 しかし同時に、このガレージキット文化というのが、日本にいくつかしかない主催者の熱意だけで成り立っているという事を改めて認識させられる。

 考えてみればなんか危うい文化だね。 無くしたくない文化。 でも、続くかどうかはいつも時代が決めること…。


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