99年冬WF商品量産


 1998年12月31日。 98年ももう終わろうとしている...。 レコード大賞の受賞者が次々決まり、多くの日本国民が「年末」を楽しんでいる時間...。 二人の男はひたすら抜いていた。

 2月7日に開催されるWFのための複製なのに、やけに早い複製作業だよな。 まぁ、WF参加も3回目となってくるとだいぶん要領が分かってくる。 版権申請が11月9日で12月末に版権結果が来るから、11月中に原型改修を終わり、12月中にシリコン型を作り、版権結果が分かったら即量産。

 そして量産はできるだけ2人以上で行う。 これは生産スピードアップのためだけではない。 複製作業は疲れる。そしてストイックだ。 1人でひたすらやり続けると、そのうち「自分はなぜこんなことをしているのだろう?」という疑問に悩まされてしまう。 そのため作業中に話し相手がいた方がいい。

 今回もシリコン型制作はHitくん担当で、もう終わらせておいてくれた。 私は量産の手伝いである。 でも何でこんな時に抜いてるんだ?(Hit宅にて) よりによって大晦日だぞ。 どうもHitくんの家やバイトの都合でこうなったようだが...。

↑今回の型たち。お疲れさんでした。

 さぁ、そんな疑問はさておき、さっさと複製作業...。 冬の複製は時間がかかる。 なぜなら温度が低いためにキャストの反応速度が遅いからだ。 さらに遅ければ待てばいいというわけにもいかない。 温度が低いと硬化不良を起こし、透明のまま固まってしまう。 その問題点を解決するため、今回は型を暖めるという手段を使うことにした。 オーブントースターでシリコン型を暖めてからキャストを流し込むのだ。 しかし暖めすぎて触れないぐらいになってしまうと今度はキャストが沸騰する。 オーブントースターのスイッチを切ってから冷めるまでの余熱で1分ほど暖めてからキャストを流すのだ。

 紅白の結果が決まる頃、いきなりHitくんが外出すると言い出した。 どうやら今からLeaf関係のチャット仲間と年越しそばを食べに行くことになっているとか...。ああそうですか...私には関係ない。 と思ったら3,4人の人を連れてすぐに帰ってきた。 どうやらどこにもそば屋がないので家でインスタントそばを食うことにしたらしい。 まったく計画性のない...。 しかもそば完成したときには年明けてやんの。 年明けそばだねこりゃ(しかもレジンくさい)。

 さて、Leafな面々もお帰り遊ばしたあと、そろそろ不毛状態に突入。 口数が少なくなってきた...。 なんとなくつけているテレビを横目で見ながら作業が黙々と続く...。 が、見ていたのが「Mr.ビーン」だったので目がそらせない(笑)。

 夜が明けた。 Hitくんが寝ると言って2階へ行ってしまった。 彼は寝不足になると危険なので(マジで医者に止められている)ここで無理をさせるわけには行かないのだが、なんとなく悔しい気分だ。 しかも寒くて凍え死にそう...。 エアコンは電気代がもったいないとかいうふざけた理由で使えないし。 そのうちあまりにも寒くて動くことも苦痛になってきた。 いい加減いやになったのでLeafな人が残していったToHeartのキャラが格闘する同人ゲームをやり始めたがこれがおもしれー。

↑ジオン驚異の...

 そうしてコンボを決めていると、家の人が起きてきて朝食を用意してくれた。 エアコンも許可が入ったのでガンガン使用。 やる気復活!サルのように抜きまくりぃぃ! 硬化待ち時間はさっきの格ゲーをやるので自然とハイテンション。 自分の担当分も抜き、Hitくん担当の型の1つまでも抜き終わってしまった。

 昼過ぎ...いつの間にか眠っていた。 おそらく1時間ぐらい寝たのだろうか、Hitくんが起きてきて目が覚めた。 現状報告をしてこのまま寝ようかと思ったが、一度寝たことで体にリセットが入ったらしく再びナチュラルハイ状態。 でも自分の分はやったという達成感から抜く気はなくなり、ゲームを始める。 「マルチは極めた」「レミィ弱すぎ」「ともこって誰?(ToHeartやってない)」

 そして再び夜。 9時頃になって全パーツ完了。 机に並べて楽しむ。 彼はこの調子でコアラも抜くといっていたが私はしらん。 あとやっとけ。 私はあおいちゃんを極めるのだ。ん〜ブロッキングぅ!

 ...とかやってたら9体目にしてキャスト切れ。 あと1体なのに。 ま、しょうがない。 あとは掃除してかえるか。 でも帰りはバイク。 この極寒のなかを1時間も走らにゃならんのか...。

 自分のバイクで走り出す。 ただ疲れただけの23の夜...。


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