1/10 scale Resin Cast Kit

美帆&真帆

(C)KONAMI&KONAMI COMPUTER ENTERTAINMENT TOKYO 原型製作&文:いわた

はじめに  各パーツの解説  パーツの洗浄について  仮組みでの留意点  塗装について


はじめに

 このキットは「ときめきメモリアル2」の登場人物である「白雪美帆」とその双子の妹「白雪真帆」の2人組キットです。 キット製作に当たっては「ときめきメモリアル2」及び「ときめきメモリアル2 Substories - Dancing Summer Vacation -」で、この2人のEDまでのストーリーを見ておくことをお勧めします。

 この商品はガレージキット、その中でもレジンキャストキットといわれる物で、プラモデルと似ていますが、製作方法に若干の違いがあります。 この商品を買われる方は、製作方法は分かっているものとしていますが、もし分からないと言う方がおられましたら、出来る限り協力しますので、「らくがき塗料箱のホームページ」をご覧の上、ご質問ください。

 キットを完成させた方は、写真を撮影の上、ちょっとした感想を添えてお送りいただければ、ホームページ上に掲載します。 忙しいからと保留にせず、積極的にキット製作に臨まれることを心より期待しています。


各パーツの解説

 このキットは双子という特性上、似たパーツが非常に多いので、パーツチェックは特に気を付けてください。 赤丸で示しているところは複製時に出来る湯口(ゲート)です。 必要ない物ですので、丁寧に削り落としてください。

美帆
真帆

− 胴体 −

 言わずとも分かると思いますが、目を閉じている方が美帆、開いている方が真帆です。 一応、腰の接合部に「ミ」「マ」と印が打ってあります。

美帆
真帆

− スカート −

 胴体の後ろ側に当たる部分。 内側の縁の方に、分かりにくいですが「ミ」「マ」の刻印があります。

 湯口は1カ所のみ。さすが真空ですねぇ。

美帆
真帆

− 脚 −

 非常に似ていますが、美帆、真帆でダボ穴の凹凸を逆にしているので、間違えて接着することはないと思います。

 ただし、胴体との接合ダボは同じなので、間違えないように注意してください(まぁ、はまらないと思いますが...)。 これも、「ミ」「マ」の刻印があります。

美帆
真帆

− 髪 −

 美帆の左右の髪には「L」「R」の刻印があります。 パーツチェックの際の参考にしてください。

 前髪は作った本人もよく見ないと分からないほど酷似しています。 湯口の2つある方が美帆と覚えると、削り落とした後に分からなくなります。 一応、裏に小さく「ミ」「マ」の刻印があります。 注意してください。

美帆
真帆

− 腕 −

 分かりにくいですが、接合部に1〜4の刻印があります。

1.美帆左腕
2.美帆右腕
3.真帆左腕
4.真帆右腕

となっています。

美帆
真帆

− スリッパ −

 美帆と真帆では形状が違うので間違えることはないでしょう。 ただし左右は似ているので注意です。 両者とも、足の重みで変形している方が右足となります。 美帆の方は、左足のみにコピーライト表記があるので分かりやすいでしょう。

美帆
真帆

− 腰リボン −

 これも非常に形態が似ています。 一応、ダボ穴が逆三角形の方が美帆、台形の方が真帆となっていますが、ちょっと分かりにくいですね。 あとは結び目でどちら側が上に来るかとか...。 そんな違いしかありません。 ま、何となく形状で判断してください。

左4つが美帆、残り1つが真帆

− その他小パーツ −

 左から、美帆の束ねた髪先、美帆のスリッパのリボン(左)、美帆のスリッパのリボン(右)、美帆の胸リボン、真帆の胸リボンです。

 胸リボンとスリッパのリボンは大きさが違うので分かるでしょう。 スリッパの左右は私にも違いが分かりませんが、一応裏に「L」「R」の刻印があります。 胸リボンは、折り曲がっている方が真帆です。

− ケロちゃん −

 ケロちゃんはそれだけで1つのランナーに繋がっているので、分かりやすいでしょう。パーツが丸いので、歯ブラシで洗浄する際は、滑って落としやすいので注意してください。

目玉のパーツは左右でダボ穴の凹凸が違うので、間違えることはないでしょう。

 以上です。 不足パーツがありましたら早めに連絡をください。


パーツ洗浄について

 離型剤を落とすためのパーツ洗浄が必要ですが、私が製作した感想では、比較的離型剤が強く着いている感じがしました。 研磨材入り洗剤&歯ブラシで、表面を多少荒らすくらいの勢いで洗浄した方がいいでしょう。 その際には、誤って小さいパーツを流してしまわないように十分注意してください。 こちらとしてましても、初期不良以外でのパーツの請求には応えられませんので...。

仮組みでの留意点

 原型完成時点で気づかなかった点があり、組み立て時に修正した方がよいと思われる事を解説しておきます。

髪の合い(美帆)

 美帆の髪パーツに多少の隙間が出来ます。 気にならないのならこのままでも良いのですが、隙間埋めをする場合は、前髪との合いにも注意してください。

 基本的に前髪が右にずれる傾向があるようです。 隙間埋めをすると左右の髪の位置が微妙に変わるため、前髪と合いが悪くなるようです。

 その場合は、前髪と後ろ髪(右)が接触する部分を削り落とすとうまくいくでしょう。 正面から見て、前髪が中央に位置するように調整してください。

胸の干渉(美帆)

 このキットで最も難しいのは美帆の胸周りでしょう。 たくさんのパーツが干渉するため、非常にシビアな状態になっています。 一応、仮組の段階ではうまく合うと思いますが、塗装後、塗膜の分だけ厚くなった状態では、はまらなくなることが十分考えられます。 そのため、予め干渉部を削って余裕を作っておくか、干渉部にはマスキングをかけて、サーフェイサーから一切塗料が付かないようにする等の工夫をする必要があるでしょう。

 また、腕に真鍮線を通すと、通す方向によっては、ケロちゃんを覆いながら接着するということが非常に難しくなります。 瞬間接着剤やアルテコなどで強制接着させた方が楽に出来るでしょう。 小さいモデルですので、真鍮線は特にいらないと思われます。

束ね髪パーツ(美帆)

 このパーツは写真のように、断面が上向きになるようになるのが、正向きです。 逆に接着すると、ケロちゃんの頭が接着できなくなってしまうので注意してください。

 この束ね髪パーツは、左右からの後ろ髪に挟み込まれるように固定される構造になっているのですが、おそらくうまくはまらないでしょう。 うまく削って、束ね髪が接着しやすいようにして見てください。

 また、このパーツには縛ったリボンの先が付いていません。 レジンでは再現不能と見て、最初から作っていないのです。 何とか自作してみてください。 私は紙で作ればよいと考えていますが。 一応こんな感じで。

 また、ついでに言っておくと、このキットには頭頂部の跳ね毛は付いていません。 必要とされる方は何らかの方法で自作してください。

ベースへの固定

 このキットはスリッパが別パーツのため、地面との接地が安定しません。 ですので、美帆と真帆とが良い立ち位置に来るようにベースに穴あけをするはなかなか難しい物です。

 とりあえず、私が考えた手順は以下のような物です。 まず、美帆の右脚にスリッパごと穴をあけます(写真上段)。 さらに、ベース側の適当な位置にも穴をあけ、真鍮線を通し、仮組みした美帆を立たせます。

 そこに仮組みした真帆を添わせ、真帆の右足の位置を決定します(両面テープでベースに固定する)。 そこから真帆の右スリッパ以外をベースから外し、スリッパの上側からベースへと穴をあけます(写真中央)。

 その上に再び仮組みした美帆と真帆を立たせます。 そしてその状態で瞬間接着剤で軽く真帆の右脚とスリッパを接着して、真帆右脚をスリッパと一緒に取りはずします。 そして、スリッパ裏側の穴から足へと穴をあければ(写真下段)、ずれずに穴をあけられるというわけです。 その後、真帆右脚とスリッパを強制的に剥がしてください。

 穴あけ作業自体は塗装後にやってもいいと思います。

 立ち位置ですが、美帆の右手と真帆の左手が重なるように配置してください。 さらに、美帆の後ろの回った真帆の右手と、美帆の背中に出来るだけ隙間が無くなるくらいの位置がベストです。 ベースへの真鍮線は直径1mm位の物がよいでしょう。 これくらいの太さなら後で曲げられるので、微調整がしやすいからです。


塗装について

 配色に関しては左写真のような感じで。 色合いについては、原作の資料を参考にした方がよいでしょう。 この衣装は、ときめきメモリアル限定版付属の冊子(入手困難)、ときめきメモリアル2ゲームグラフィックス(NTT出版 1,800円)、ときめきメモリアル2イラストレーションズ(NTT出版 1,800円)、別冊ひびきのウオッチャーVol.3(エンターブレイン 1,900円 )等に載っています。 ゲーム中では、3年目の美帆の誕生日に見られます。

 フィギュア製作での色の調合で最も気になるところは髪の色でしょう。 参考までに書いておくと、私は、赤、紫、白のみで作りました。

 真帆のスリッパはどこにも描かれていない物で、私が適当に作った物です。 よって色も適当に選びました。 ここの色は、制作者が適当に決めて良いと思います。 真帆らしく「V.K.」のロゴなんて書いてみるのもいいんじゃないでしょうか。

 服は白と黄色という薄い色で構成されているため、グレーサフを使ってしまうと、下地を白くするためにかなり塗膜を厚くせざるを得ないでしょう。 前述の通り、美帆はパーツの合いの関係から塗膜は薄くする必要があるため、白サフの使用を強くお勧めします。 サフレスでも良いのですが、服にサフレスをすると、おもちゃっぽい質感になります。

 また、白が占める面積が多いことから、スカートにグラデーションをかけることをお勧めします。 もちろん、それなりの技術は要求されますが...。



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