ソフィア Full Scratch '98年 11月3日


 文化の日の今日、フィギュアを完成させる...。 芸術の秋を満喫している私ですが、皆様どうお過ごしでしょうか。 (なんだそりゃ)

 なんとか完成しました。 版権申請には間に合わせることができたようです。 さて、前回の日記からどのような過程があったのか、順を追ってご説明いたしましょう。

複製の苦悩

 原型をレジンに置き換えるため、らくがき塗料箱抜き師、Hitくんへとソフィアは預けられました。 今回、プロ使用のシリコンを使ってみようという試みだったらしく、通販により新たなシリコンを仕入れてきました。 しかし、これがあだになってしまい、物はいいのだが使い勝手が違って原型破壊を数回してしまう(怒)という事態になってしまいました。 1体分抜くために1週間という時間をとってあったのですが、一部パーツが1日遅れ(10/27)、ほかのパーツが3日遅れてできあがりました(10/29)。

パーツ整形の苦悩

 1日遅れ(10/27)でできたパーツは両足及び上半身の3パーツ。 この3パーツは原型師の立場から見てもかなりの抜き具合。 正直言ってここまで綺麗に抜けるとは思っていなかった。 他のパーツは2日後にできると言うことなので、このパーツたちを2日かけて丁寧に仕上げたのだった。

 2日後(10/29)、全パーツができあがる。 スカートのぞいてはかなりいいデキ。 指もしっかり抜けている。 問題のスカートはどのような状況だったかというと、パーツが薄いために向こう側が透けて見えるという、すばらしい状態(^^;。 この薄さでレジンが流れ込んでいることはある意味凄いのだが、あまりにも薄いためにすぐ壊れてそう...しかし、原型はもう少し厚さがあったはずだけどなぁ。 はやり、複製時のゆがみはさけられない宿命なのか...。

 さてそのスカートの整形だが、意外にも簡単。 内側にマスキングテープを貼って、外側からポリパテを盛る。 で、固まったら削るだけ。 まぁ、私は原型作った本人だから楽々ですが、他人だったらどう思うのかはよくわかりませんね。

 あとは市販キットにもあるような気泡処理など...。 意外にもこれらの気泡処理のほうが面倒でした。 あと、左手についているハズのもみあげの一部がなくなった(激怒)らしく、またパテからスクラッチするハメに...。

 にしても、前回のみのりちゃんのに比べれば、原型、抜きともに向上しているのは確か。 しかし、だからって自慢しちゃだめっすよ。>Hit

ハンドピース×2でパワーアップ!

 こんかいの塗装には気合いを入れるぜ! ってわけで、ハンドピースを新調。 今までタミヤのダブルアクションを使っていましたが、新しくタミヤのトリガータイプの物を購入しました。 特にトリガータイプの物が欲しかったワケじゃないんですが、シャドー吹きなどをするためにはハンドピースが2本ないと面倒なんで、思い切ってもう1本買ったわけです。

 トリガータイプの使い心地は良好。 ボタンタイプに比べると扱いが楽で、塗装もスムーズにできます。 しかし、細かいところへねらいを定めて吹き付けたり、吹き付け量を調節するのはやはりやりにくいですね。 よって基本色をトリガーで、シャドーなどにボタン式を使うことにしました。 シャドーした後に、もう一方のハンドピースですぐ吹き付けし直すことができるので作業効率アップです。

 また、机にハンドピースが2本専用ハンガーにかかっている光景はなかなかかっこよくてやる気をかき立てられます。 みなさんもどうです?もう1本。

スカートの苦悩

 みつめてナイトにハマっていらっしゃるモデラーさんならお気づきだと思いますが...。 このスカートの塗装は拷問に近いほどの難易度です。 星5段階で評価するなら、★★★★★★ぐらい。 ビートマニアで言うならskaぐらい。 シューティングで言うなら火蜂ぐらいですな。(?)

 マスキングでがんばろうとたいていの方は考えるでしょう。 しかし、このひだスカートは意外とくねくねしており、テープを貼るのは極上に難しいのです。 私は1枚貼った時点で挫折しました。 で、しょうがないので筆塗り決行(10/31)。 ラッカーで赤ラインを、エナメルで紫を塗ることに。 しかし、なかなかうまく行かず エナメルで赤ラインを描こうと決意。 なぜなら失敗してもふき取れるし、筆塗りが楽だからだ。 しかし!つや消し塗装の白の上のへの塗装はうまくふき取れず、失敗。 しかもエナメルの浸透力で細い線が見る見る太く染みていくという事態が発生。 このときはかなりの敗北感を感じました。 今考えれば、下地をグロスにして、塗装後につや消しトップコートを吹けばいいじゃないかとわかった...。

 気を取り直して再びラッカーで筆塗り。 エナメルで失敗したところは、何とかそこを赤ラインにしてごまかす(少し痕が残ったけど)。 なんとか終了させたが、やはり筆ムラは避けられない。 よく見るとへろへろ。 しかし、ここにさらに紫ラインを入れるわけだし、全体の情報量が増えればあまり気にならないだろうと勝手に妥協。

 次の日(11/1)は別のパーツの塗装をし、2日後の深夜(11/2 27時ごろ)紫ラインへ突入。 ここまでラッカーでやっているので今度はエナメルでOKのハズ。 何とか始めるが、うまく行かない。 まっすぐ線が引けないのだ。 ここまで線が細いと、塗料をかなり薄めないとのびてくれない。 しかし、薄いので場所によって濃さがバラバラ。 細すぎて重ね塗りもうまく行かず、超へろへろ線に。 コレでは妥協レベルにも到達できない。だめだ。 そう決意して塗った線をすべてふき取りリセット。 もうだめだー。

 その後寝込みながら悩む。 筆じゃ無理だ...。マスキングするしかないのか...。 ゾルを使うというのは?いや、どっちみちまっすぐ塗れないから同じか...Dナイフでパーツに傷がつくのもダメだし...。 そうだ、油性ペンを使うというのはどうだ。 これなら線がまっすぐ引けるぞ。 ガンダムマーカーとかも発売されているし。 (しかし、調べると青の極細タイプはないらしい) そうか...じゃ、文具にもないよなぁ...。油性極細紫なんて。 まてよ?ペンがだめなら鉛筆というのはどうだ? 色鉛筆なら、にじむこともないしいいじゃないのか? 下地がつや消しでざらざらだから、うまく行くかもしれない。 色が乗ったら、トップコートでコーティングすればいい。 これだ!明日早速やってみよう...。 そして眠りについた。

 次の日(11/3)、早速実行。 ほぼ予想通りの結果。 多少歪むものの、筆塗りに比べたらよっぽど綺麗。 今回はこれで良しとしよう...。

 しかし、あとで文具屋に行ったら、0.3ミリの油性の青ペンがあった。 なんだ、あるじゃないかー! 次回はコレを使おう。もう疲れました...。

接着で あぅ

 以前からわかっていた問題点。 左もみあげと胸リボンとの干渉についてだ。 左もみあげをスクラッチし直したため、さらにワケが分からなくなっていた。 接着の段階で干渉がひどいことに気づく。 ドライヤーを駆使してなんとかはめ込む。 うーむ。修正の余地ありだな...。

 あと、右手の方向が前に出過ぎた。 真鍮線通さずにやろうとしたのが間違いだったよ、トホホ...。 ま、モトの原型知らない人から見れば、コレはコレで変じゃないのでOKとしましょう。

写真写りが悪いぞ

 ところで、写真に写すとなんでこんなに変かね? 顔のラインが凄く不自然に見えるんですけど...。 現物を直接見る分には全然問題ないのにねえ。 わ、わからん。

最後に...

 スクラッチ期間5ヶ月...やっとここまで来られた。 長かったよ...この5ヶ月。 まだ、終わりじゃないですが、とりあえず完成だ...。 ありがとうソフィア。ありがとうレインボーダストさん。ありがとうみつめてナイト...。

- 完 -
終わるなって。


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