神尾観鈴 Full Scracth '03年 2月11日


 やっと色塗りが終了。 半年間やってきたことがなんだったのかこの瞬間に分かるというものだ。 原型という1色の段階では、なかなか色塗りをしたときどう見えるかというのは想像しにくい。 こうしてみるといろいろな反省点も見えてくる。

 まず、足が長すぎるような感がある。 じつはそう見えるだけなのだが...。 1/7というのは、まえにも言ったけど、ひろみかんさんの作品にスケールをそろえているから。 同じブースで展示することを考慮しているわけね。 ひろみかんさんの1/7は、竜人詩織にあわせているらしいので、私もそれにあわせようとバランスを取ったってわけ。 だから、バランス自体はこれで間違ってはいないのだが...。

 詩織は完全無欠キャラであることもあり、スタイル抜群であることは必然。 足が長いのも当たり前。 だけど、観鈴というと多少ガキっぽいキャラクターであるし、いたる絵特有の横幅のある体型では、この足の長いスタイルは少々アンマッチであったかも知れない。 では足を短くすればよいのかというと多分そうではなく、等身のバランスという点を見直す必要があるので、ほとんど作り直さなければならない。 だけどまぁ、これはこれでいいのかも知れないと思う点もあり、とりあえず今後修正しようと言う気はないかな。

 また、靴を履いていない、つまり裸足であるために膝下からの情報量が少なく、足が妙に間延びしているように見えなくもない。 ところで、なぜ裸足かというのは、別にOPを意識したわけではなく、「海っぽさ」を出したかったから。 上半身は空を、下半身は海を表現しているわけです。 AIRの世界観そのものでしょ。 だけど、こうしてみると別に靴を履いていても良かったかも知れない。 また時間があったら、靴を履いたバージョンも作ってみようか。

塗装に関して

 AIR服+観鈴の配色は、ワンピース部分の黒が大部分を占め、それ以外の色は黄色がベースという、とても明度差の激しいものである。 だから、黄色の彩度を適度に落としてやらないと全体として落ち着きのない色調になってしまう。 また、髪の毛とブラウスの両方ともが黄色であるため、色味に差を出してやらないと、黒に負けてしまう。

 そんな感じで方針は

肌色 白をベースにして、エアブラシによる単色グラデとする。色味は髪の毛とブラウスと差をつけるため、ピンク系の肌色にする。
黄色ベースとして、オレンジ系のシャドウを吹く2色グラデ。
ブラウス 黄色ベースとして、茶系のシャドウを吹いて髪と色味に差をつける。
ワンピース 灰色ベース(サフ色)として、黒を吹く単色グラデ。
髪リボン 白に紫系のシャドウを吹く。
ネクタイ 赤+白で彩度を落として、変に目立たないようにする。

といった感じで。

 黄色での単色グラデは立体感がなくなるのでさけた方がいい。 黄色は明度が高いため、それをシャドウ色としても意味が薄いからだ。 だから、黄色を下地として、それに赤系のシャドウを吹き付けることで、全体の明度が落ちる。 それに対し、青などは明度が低いため、白を下地として青をシャドウに使うことで、明度が上がる。 基本的にはこういう理屈で全体の明るさを均一に近づけることができるわけですな。 一応私の持論です。

 黒は単色グラデとしたが、白の下地からグラデをつけたのでは、色差が激しすぎてエアブラシでの調整がそれだけ厳しくなる。 よって灰色を下地とする。 そんなわけで、今回はワンピース部はグレーサフ、それ以外は白サフ。 ちゃんとマスキングをしてサフを吹いた。

組立に関して

 髪の組立はやっぱり苦労した。 仮組みしようにも接着面が小さすぎるため、あらかじめの調整が難しいのだ。

 それに対して腰リボンと腕の合いは良好。 この辺はいい意味で意外。 微妙な指の仕草も表現できてて、この辺は満足だな。

 足はスカートを先組後、あとから足が差し込める構造にしていて、スカートの接着ずれが足の角度に影響しないように、足の接着点が1のパーツ(スカート後ろ)で集中するようにしている。そのおかげで足のぐらつきもなく、ベースなしでもきちんと自立するみたいだ。

 ま、多少問題はある物の、何とかできたな。 他人に作れるかどうかは疑問が残るけど、その辺はオンラインマニュアルでフォローすることにしよう。


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