寿 美幸 Full Scratch '00年 4月30日


 一応完成です。 一応全ての面に表面処理を施しました。 この状態で版権申請写真も撮りました。

 表面処理以外の前回からの進歩は...。 靴下およびスパッツの「裾の縫い目」をモールド。 袖のラインのモールド追加。 手のパーツと腕の接合部が目立たないように変更。 スリッパの裏にコピーライトを彫る。 てなところ。

 ついにできた...。 制作時間2ヶ月半。 フルスクラッチ始めたときに比べると速くなったなぁ。 今回はこれまでの技術を全てつぎ込んだつもりです。 一応、自信作...だと思う。 95点はつけられる出来だと思います。 残りの5点というのは、まだ塗装まで終えていないことから、改修の必要性があるかも知れないと言う事からです。 その辺の変更点は多分ワンフェス終わってからになるでしょうが。

 今回のフルスクラッチはかなり楽しかったですね。 元の絵(限定版のひびきのウオッチャー)を見たときから、なんか凄くいい物が作れそうな気がしてならなかったからです。 フィギュアにしたら凄く面白いイラストだなぁって見たとき思いました。 これまでフィギュア作ってきて、完成させても何か物足りない気がしていましたが、これなら多分満足できる物が出来るはずだと確信できたのです。 そして完成するまでその思いは消えることはありませんでした。 今までだと、途中で「これはつまらないかも」って思い始めてしまうことが多かったのです。

 フィギュアをフルスクラッチするというと、手先の技術やデッサン力の事をみなさん考えると思います。 でも、もっと大事なのは「どんな物を作るか」を考えるセンスなんだと思います。 いくら綺麗に作ってあっても、単調な作品であったら、それはただの人形にしかなりません。 逆に少々荒くても、作者が表現したかった物が伝わってくる作品は、高く評価されます。

 自分の過去の作品を見ると、とても技術が低かったのが分かります。 そしてその頃自分が作りたいと思っていたものを思い出してみると、そんなの立体化しても絶対面白いモノはできないと今は思えるものばかりです。 あの頃は気に入ったイラストやシーンがあると、それをそのままフィギュア化したいって単純に思っていただけなのです。 しかしフィギュアとなった状態で良いのか悪いのかを判断しなければ、最終的につまらない物になります。 その事がわかるようになったのは結構最近です。 フルスクラッチをしていくと、そういう事も分かってくるんです。 今回はイラストをそのまま立体化しましたが、フィギュア化した上で面白いとちゃんと判断ができました(ゆっきーが好きとかいう感情はあまりなかった)。

 多分この辺のことは、市販キットを組み立てているだけでは分からないと思います。 これからフルスクラッチをしようという人は、手を動かす前に、こういうのを作りたいというのをベテランの人に相談してみるのもいいんじゃないでしょうか。 私ごときでよければ相談に乗ります...。 まぁ、自分で失敗していかないと成長しないと思いますが。 とくにワンフェスで売れ残ると、おもいっきり反省させられますし。

 とはいえ、私もまだまだ発展途上。 この程度でこんな偉そうな文章書いてるんじゃねぇよとおっしゃる方もおられるでしょう。 私も今回作ったこのゆっきーが、昔はこんなので満足してたんだなって思える日が来てくれるのを期待して、今後もセンスを磨いていきたいと思います。


戻る